大人の歯並び矯正
大人の歯ならび矯正について
大人の矯正治療は永久歯をならべる治療になり、専門的には「二期治療」と呼ばれるものになります。体の成長発育も終了しているので、ほぼ全ての歯ならびが治療の対象となります。大人の場合は、就職・結婚・妊娠などさまざまなライフイベントがあるので、これらを考慮した治療計画を立てていきます。
あなたに最適な目立ちにくい矯正装置を提供します。
当院では、近年需要の多い「マウスピース型矯正装置」をはじめ、ワイヤー矯正である「ラビアル(上下とも歯の表側の装置)」、「ハーフリンガル(上は歯の 表側、下は歯の表側の装置)」、「フルリンガル(上下とも歯の裏側の装置)」などの装置を提供しています。それぞれメリット・デメリットがありますので、 しっかりと相談しながらどの装置を使うか選択していただきます。
また、歯の表に装置をつける「ラビアル」であっても、追加料金なしで白い装置を選んでいただくことが可能です。ご自分の希望にあった装置を選択してください。
あなたの治療に本当に抜歯が必要なのか、検査結果に基づいて判断します。
歯を抜かない矯正治療は、最新の矯正治療ではなく、一番古い治療法であることをご存知ですか?
「最近の矯正治療は技術が進化しているから、歯を抜かずに矯正できますよね?」以前、ある患者さんからこのように聞かれたことがあります。私は次のように 答えました。「歯を抜かない矯正治療は、一番古いやり方ですよ。」
今のワイヤー矯正の原型をつくりあげたのは、近代矯正学の父と呼ばれるアメリカのEdward H. Angle先生だと言われています。実は、この先生が最初に歯を抜いて矯正治療を行なったところ、治療がうまくいきませんでした。そのため、20世紀初頭 のアメリカでは、歯を抜かない矯正治療が主流になりました。
しかしその後、みんなが「歯を抜かない矯正治療」を行なった結果、それはそれでうまくいかない治療が多くあることが報告されました。歯を抜かずに無理をし て並べると、治療前よりも出っ歯になったり、ガタガタな歯並びを治してもすぐに後戻りしたりします。結局、今となっては当たり前の話ですが、歯を抜くべき かどうか検査を行ってから治療を行わないと、矯正治療はうまくいかないということが分かりました。
ワイヤー矯正でもマウスピース矯正であっても、抜歯の必要性を調べてから治療を行います。
現在では、矯正治療の技術は大きく進化しています。特にデジタル技術を用いたマウスピース型矯正装置のおかげで、これまで矯正治療を行なっていなかった歯 科医院でも、歯を抜かない矯正治療であれば簡単に導入できる時代になりました。
しかし、いくら技術が進歩しても、ヒトの体は変わっていません。当院では基本通り、矯正治療を行う前にしっかりと検査を行い、抜歯の必要性を調べてから治 療を開始します。ワイヤー矯正でもマウスピース矯正であっても抜歯をするほうが治療は格段に難しくなりますが、100年前の失敗の歴史を繰り返すことがな いように、抜歯が必要な場合は歯を抜いて治療をしていきます。もちろん検査を行って歯を抜く必要がない場合は抜かずに治療を行います。検査もせずに一律に 歯を抜かない矯正治療を勧めることはしませんので、安心して治療を受けていただけます。
大人の歯ならび矯正のメリット
- 歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療や外科矯正など、永久歯をならべるためのさまざまな治療を行うことができます。
大人の歯ならび矯正のデメリット
- 成長発育を利用した治療を行うことはできません。
大人の歯ならび矯正をはじめる時期
一般的には、上下の永久歯がすべて生えそろっているので、いつでも矯正治療を開始することができます。ただし、治療中に就職や結婚などで転居してしまうと、通院できなくなるため転院が必要になることがあります。また、女性の場合は、妊娠されたときはレントゲン検査ができないため、治療が制限されてしまいます。大人のライフイベントは人それぞれなので、各々の状況にあわせて矯正治療をはじめる最適な時期を提案していきます。
大人の歯ならび矯正を受けたほうがよい症状
- 叢生
- 犬歯低位唇側転位
- 空隙歯列
- 上顎前突
- 下顎前突
- 開咬
- 過蓋咬合
- 交叉咬合
大人の歯ならび矯正を受けないほうがいい症状
- 特になし
大人の歯ならび矯正 治療例
前歯が重なっている(19歳 男性)
前歯が出ている(19歳 女性)
⻭並びが気になる、左上の⻭が内側に⼊っている(28歳 男性)
前歯のガタガタが気になる(27歳 女性)
大人の歯ならび矯正のよくある質問
大人の矯正治療は、何歳くらいまで受けることができますか?
基本的には大人の矯正治療に年齢制限はありませんので、何歳でも治療を受けていただくことが可能です。ただし、むし歯で歯が無い場合や、歯周疾患で歯を支える骨の状態が悪い場合は、矯正治療を受けていただけないこともあります。その他の疾患でも、矯正治療を行えなかったり、治療に制限が加わったりする場合があります。
矯正治療中に転居となり通院ができなくなる場合は、どのようにすればよろしいでしょうか?
治療中に通院ができなくなる状況はできるだけ避けていただきたいのですが、やむを得ない場合もあると思います。この場合は、「日本矯正歯科学会 認定医・指導医・臨床指導医 検索」などを参考に、転居先で通院できそうな医院を探して転医手続きを行います。また、治療費については、「公益社団法人 日本矯正歯科学会 倫理規程」の第35条に記載の通り、治療の進行状況に合わせた清算を行いますので、ご安心ください。
参考文献
- Contemporary Orthodontics 6th Edition. William R. Proffit, Henry W. Fields, Brent Larson, David M. Sarver. Elsevier.
- 認定医・指導医・臨床指導医を探す 日本矯正歯科学会 認定医・指導医・臨床指導医 検索
- 公益社団法人 日本矯正歯科学会 倫理規程