口腔内スキャナーとデジタル技工
皆様は、歯科医院で印象採得(歯の型とり)をされて、嫌な思いを経験したことはないでしょうか? 当院では、口腔内スキャナーを利用して、印象採得を快適に行うことができます。 今回は、口腔内スキャナーを用いた矯正装置作製の手順を…
矯正歯科コラム
矯正歯科治療における代表的な偶発症の一つに歯根吸収がありますが、2023年のProgress in Orthodonticsに、マウスピース型矯正装置とマルチブラケット装置(ワイヤー矯正装置)の歯根吸収を比較した論文があります。
この論文によると、マウスピース型矯正装置のほうが、マルチブラケット装置(ワイヤー矯正装置)に比べて歯根吸収が少ないことが示されています。
このような違いが起こる理由の一つとして、マウスピース型矯正装置の場合はすべての歯の移動量が計画的にプログラムされているので、歯に過度の力がかかりにくいことが挙げられます。
また、もう一つの理由としては、マウスピース型矯正装置は歯根を移動させにくいので、結果的に歯根の移動をさせやすいマルチブラケット装置(ワイヤー矯正装置)のほうで歯根吸収が多かった可能性もあります。
ところで、この論文で報告されている歯根吸収の量ですが、上顎中切歯と側切歯の平均値がマウスピース型矯正装置で0.31±0.42 mm、マルチブラケット装置(ワイヤー矯正装置)0.62±0.78 mmとなっています。
この二つの間に統計学的な有意差はありますが、臨床的にはほとんど問題にならない違いであると述べられています。
したがって、実際に治療を受けられる患者様は、マウスピース型矯正装置とマルチブラケット装置(ワイヤー矯正装置)の歯根吸収の違いはそれほど気にしなくても大丈夫だとお考えください。
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